南が点数を落とした。



年が明けて最初の模試だった。

得意な理科と社会でかなり点数を落とし、このままでは俺の高校への合格は難しい。

正直、この結果は俺のせいだと思った。



最近ずっと、ふわふわしていた。

南に好きだと言ってもらって、付き合うことはしなかったけど気持ち的に緩ませてしまっていたのは俺の態度にも問題がある。

だからこそ、俺にはそれを正す責任がある。

そして俺は、自分の心を鬼にして南と向き合った。



南が苦しんでいたのは知っていた。

俺だって好きな女をめいっぱい甘やかして、真綿に包み込むように大切にしたい。

でも、それじゃダメなんだ。

それじゃ、南の点数は伸びない。

だから、授業以外での南との接点をできるだけ排除した。

たとえ、苦しくて、辛くて、辞めてしまいたくても。