「今日、駅前の本屋さんの前で……女の人と歩いてましたよね……? 腕、組んで」
「今日……? あー、あれは……」
見てたのか、と雄悟先生は頭をかく。
私は言い逃れなんてさせない、ときつく睨み付けた。
私は先生の彼女でも何でも無いけど……。
私を好きだといいながらあんな風に女の人といる雄悟先生を許せそうもなかった。
「あいつ、男だから……」
「はい……?」
思いも寄らない言い訳に、眉間にしわが寄る。
「嘘つくならもっとまともな嘘ついて下さい……」
あんなに綺麗な人が、男の人……?
その姿を脳裏に思い浮かべてみるけど、華奢でスタイルの良い、綺麗な女の人にしか思えない。
「嘘じゃねえよ……。学校の友達。今日学校午前で終わったから買い物付き合わさせられてたんだよ」
「信じられねえなら電話するか?」
雄悟先生はスマホを取り出して操作する。


