おしえてください、先生。


チョコレートの箱を鞄にしまって、駅前にある本屋さんに向かった。

シャーペンの芯が無くなったから、そこで購入する。

そして本屋から出た時に目に入った光景に、目を見開いた。



「ゆう、ご……せんせ……?」



数メートル先を歩く、私服姿の雄悟先生と、隣に立つ女の人。

私よりはるかに背の高そうな、スタイルのいい綺麗な女の人。

女の人は雄悟先生の腕に腕を絡めている。

女の人の綺麗な長い髪が風で揺れる。

二人は私の存在に気づかずに行ってしまう。



「なんで……?」



先生、私のこと好きだって言ってくれたのに……。

やっぱりもう、私のことなんてどうでもよくなっちゃった?

点数も伸びない、子どもの私は好きじゃ無くなっちゃったの?



視界がどんどん歪んでいく。

心臓が握りつぶされているみたいに痛い。



どうして……私はこんなに、好きなのに。

雄悟先生と一緒に過ごす高校生活だけを夢見て、勉強してるのに……。

先生は、違ったんだ……。