そんな日々が一ヶ月ほど続き、2月14日。
受験日まであと数日に迫ったその日はバレンタインデー。
受験生で彼氏もいない私にはクリスマスと同様、関係の無い一日。
いつも通り学校で愛夏と過ごす。
「南はさ、先生にチョコ渡すの?」
「渡さない……かな。チョコ渡しても、雄悟先生は喜ばないと思う……」
今、最も雄悟先生が喜んでくれるのは私が勉強すること。私の点数が伸びること。
「そんなさみしいこと言わないでよ~。先生のこと、好きなんでしょ?」
頷く。
愛夏には雄悟先生への気持ちを話してある。
先生とあったことを詳しく話したわけではないけど、最近模試の結果のこともあってあまり上手くいっていないことは伝えた。
「バレンタインって、感謝を伝える日でもあるじゃん? ほら、義理チョコとか言うでしょ?」
「義理チョコかぁ……」
「そうそう。そのぐらいだったら良いんじゃないの? 深い意味じゃなくて、いつも授業ありがとうございますって感じで」
「う~ん……」