「花、月…?」 「あいつらに何されたんか知らんけど。俺が全部塗り替えたる」 「かづ……っん」 その名を呼ぶ前に、さっきとは比べものにならないほど、甘く、深い口づけが降ってきた。 あの下種の不快感なんぞすぐに忘れてしまうほどに。 何度も何度も。 あたしの唇を。 あたしの首筋を。 花月が消毒するかのように触れていく。 何も考えられへんかった。 ただただ花月に溺れた――。