彗蓮姉のマンションに着いた時にはもう晩御飯の時間をとうに通り越していた。







「あれ?なんか妙に静かやない?誰もおらんの?」



「花梨、メール見てないん?彗蓮姉から、今日会社主催のパーティーあって、それに家族で参加するらしいねん。せやから晩飯はテキトーに済ませときだって」







いつの間にそないなメールが…。





全然気づかんかったわ。









「どうする?出前でもとる?」






いや、あたしら居候の身やし。




贅沢は禁物や。









「冷蔵庫に何かしら入っとるやろ。あたしテキトーに作るさかい」



「んじゃ、俺も手伝うで」



「いや、ええよ。あんたテレビでも観とき。あたし着替えてくるわ」



「え?花梨?」









きょとんとする花月を残してあたしは足早に部屋へと飛び込んだ。