裸足のシンデレラ

「小嶋貴也。25歳独身。彼女募集中。
趣味は写真、ドライブ、あとは読書。あとはー…スポーツ全般。やるのも見るのも好き。
よろしくお願いしまーす!!」

「それだけ?」

「他に何聞きたい?」

「別に…何もないけど…。」

「うわー…マジかい。じゃ、次は里穂。」

「え?」

「俺だけやってもつまんねーじゃん。俺は里穂のこと知りたいし。」


…ストレートすぎる人間だ。彼は間違いなく。
でもこのまま拒み続けて沈黙が続くのも嫌で、私は口を開いた。


「前田里穂。高校2年、17歳。彼氏はいないけど別に募集していない。
趣味は…特にない。」

「それだけ?」

「他に聞きたいことはあるの?」

「好きなタイプは?」

「なんのタイプ?」

「どんな奴が好きなのかってことだけど?」

「あぁ…そういうことか。
…分からない。恋なんてしたことがないから…。」

「そっか。
じゃあ好きになった奴が好きなタイプってことか。」

「…そう…かもしれない。」


ニコニコと笑顔を絶やさない彼の隣で、私はやはり無表情だった。