裸足のシンデレラ

* * *


「んじゃー今日の分は終わり。お疲れさーん。」

「先生!!ここ教えて!!」

「あたしもーっ!!」


…バカらしい。今日の問題で難しいところなんて何にもなかったじゃない。
自分で適当に参考書でも開けば答えも載っていそうよ。
そんなことを思いながら、メモを机の引き出しにしまった。
机の上に置いておくのは…さすがに危険。


私はそのまま塾を後にした。
自習するのも面倒な気がした。


…正直に言えば、彼が私に何を頼みたいと言ってくるのか、それに少し期待してたっていうのもある。
生活に刺激がほしい、そんな風に思っていたから。














「ただいま。」

「お帰りなさい。早かったのね。」

「自習してこなかったから。」

「そう…。」

「ご飯はあとで食べるから。」


あたしは自室に籠った。