「…お前が納得出来たんなら…それでいい。」

「いっ…いきなりヘンなこと言っちゃってごめんね。」

「…ヘンなことじゃねぇよ。大事な話だろ。」

「え…?」

「話してくれてありがとな、真姫。」


…そう言って少しぎこちなく笑う瞬。
心臓がドキドキとうるさい。
…どうして?


「全員ステージに!!最後の挨拶ー!!」

「おう。」

「うんっ!!」

「行くぞ、真姫!!」

「うっ…うんっ!!」


瞬が強引にあたしの手を引く。
…なんで…なんだろう?
さっき、舞踏会のシーンで矢島くんに手を引かれた時に感じた違和感みたいなものが全然ない。
瞬の手が…心地良い。


パチパチパチと温かい拍手があたしたちを包む。
…すごく達成感を感じる。


「服部ー!!ナイス演技だったぞー!!」

「服部と遠野のとこ、すげー良かった!!」

「真姫ちゃんと服部くんのシーン、共感しちゃったー!!」

「ナイスアドリブ!!」

「真姫ちゃん可愛かったー!!」


…飛んでくる言葉が、ほとんどさっきのアドリブシーンについて。
あたしは隣にいる瞬の顔を見上げた。


「俺、マジで天才じゃね?ナイスアドリブだって。」

「…あたし、本気で焦ったんだからね。」

「結果オーライだって。」

「ぷっ…。」


あたしと瞬は顔を見合わせて笑った。