裸足のシンデレラ

「どっかの国のオヒメサマ3、聞いてんのか?」

「なっ…。」


ちょっ…なんでこんなセリフ…。


「お前も王子が好きなんだろ?このままあのシンデレラとかいうやつにとられてもいいのかよ?」

「だっ…だってこれはそういうお話で…。それに…。」

「なんだよ…。」

「王子様とシンデレラが結ばれなくちゃ…ハッピーエンドって言えない…。」

「んなもん知るか!!」

「はぁ?」

「シンデレラじゃねぇ姫にだって幸せになる権利も義務もあんだろ!!」

「……。」


思わず俯いた。
だってこのセリフは…お姫様3に対してじゃなく、『あたし』に言われてる、そんな気がしたから。


「行けよ、オヒメサマ3。ガラスの靴がねぇなら裸足でいけ!!いらねぇんだよ靴なんて!!
いいか?シンデレラがガラスの靴を置いて行ったのはな、シンデレラが性悪だからだ。
シンデレラは自分の美貌に自信があった。だから適当に踊って、で自分を追いかけてほしくてぶかぶかのガラスの靴を履いて来て置いてったんだ。『わざと』な。
行け、オヒメサマ3。お前がシンデレラから幸せ奪って来い。」


…なんて無茶苦茶な魔法使いだろう。
シンデレラを幸せにするために魔法を使ったくせに。
ぶかぶかのガラスの靴を魔法で出したのはあなたのくせに。


「…出来ません。」