やっと涙が 俺の頬を流れた時には すでに1、2時間は経っていて もう何もかも忘れたくなった。 包丁を持ち、 母さんのようにお腹に突きつけてみたけど…… 幼い俺に、 そこまでの勇気はなかった。 そんな自分にも呆れ果て、 包丁を手放した。 「うわぁぁぁあぁぁあ!!!!」 そんな泣き叫ぶ声も 母さんと父さんには 決して届かなかった…… どんなに苦しみもがいても 母さんは戻って来ないし 父さんも帰って来なかった。