「リアナ様いかがなさいました?」
「……えっ?あ、いいえ。何でもないの」
いけないボーッとしてた。今は勉強中なのに………
頭を振り、勉強に集中する。
「では本日はここまでにしましょう。お疲れ様でした」
「先生。ありがとうございました」
リアナが先生と呼んだ父親くらいの年齢の男性は家庭教師のランスという。リアナは幼い頃からずっとランスの元で学んでいる。
穏やかで優しい気性のランスはリアナを実の娘のように可愛がり自分の持っている知識を全て与えたいと思っていた。
最近、リアナの元気がない事を気付きながらも見守って来た。
元気を取り戻したリアナだが、どこか浮ついたような様子で落ち着きがない。
ワガママばかり言っていた彼女がすっかり静かになっているのがランスは気掛かりで仕方がなかった。

