閉まっていた戸が空くと、助けを求めていた彼が居た。

私を見て、笑った。

私は知ってるこの目を。狂気に狂ったその目を。
私は殺される!!

口を動かしても、声はもう出ない。
血と空気の音が盛れるだけ。

(待って!!
私は死にたくない!死にたくない!
死にたくないの!!
………裏切り者!!
許さない。絶対に許さない!!)

そして和泉守兼定を抜くと躊躇いもなく心臓を突き刺した。

「――――ッ!?」

私は死んだ。
その後はよく覚えていない。

「ニャアアアアア!!」

愛猫のしろねこの悲痛な泣き声が微かに耳を掠めて、私の意識はそこで途切れた。


次に目を覚ましたら、私は私を見ていた。
私は死んだんだ…

私の側にはしろねこの亡骸。

しろねこ…しろねこも
殺されたの?

………許せない!!
信じていたのに。
…………許せない。
裏切って……

私を殺した奴皆。
私を殺すように仕向けた奴。

殺してやる。
呪ってやる。
復讐してやる!!

“ニャァ”

私はいつの間にか、しろねこと一心同体になっていて。


“モノノ怪”


となった。



この話しは、私の復讐録。