「副長はそれで良いのですか?」

今まで黙っていた一は真っ直ぐに歳三を見つめて確認をとる。

「あぁ。珠姫には悪いが…新選組の為だ。」

迷いも無い目で歳三が言い切る。

「なんか後ろめたいけどさ…生かしちゃおけないのか?」

不安そうな顔をする平助。

「珠姫の性格を考えてみろ。平助。
素直な珠姫が隠し事出来るか?」

「でも内証って言ったら!!」

平助は佐之助の言葉に食って掛かり、反論をするが、
何時もなら味方になる新八や敬助にまでも反対された。

「仮に黙ってくれててもだ。
もし長州に見つかって拷問でもされたりして、
黙っていられるか?」

新八が言い切った後に、敬助が付け加えとして、やんわりと話す。

「永倉君の意見に同感です。
仮に話さなかったとしても、
彼女の場合は誘導尋問にひっかかり、
話してしまう可能性があります。」

彼女は素直過ぎますから。
と呟く敬助の言葉に、歳三が同意する。

「ま、素直過ぎるのが悪い訳じゃ無いがな。
珠姫は俺等に関わりすぎた。」

「…………そうだな。」

平助は深く頷く。

「仕方がないだろ。拷問によって殺されるよりは、まだ良いだろ?」

歳三の言葉に否を唱える者は誰一人として居なかった。



こような会話がなされていたのかなんて、
私には知る由もなかった。

真の事実を知ったのは、私が殺されてからだった。


この日から数日後私の運命は大きく変わった。