「そんなに怖がらなくても大丈夫だよお嬢さん、私たちも君と同じ被害者だ」

とうとう壁際まで後ずさりしてしまった亜衣を、これ以上刺激しないように距離をおいて仲埜は声をかけた。

思いっきり怖がられた慶介は機嫌を悪くして黙り込んでいる。

「此処は・・・何処ですか?」

「私も知りたいぐらいだ。分かっているのは此処が地下室らしいという事、3人とも薬品か何かを嗅がされて拉致されてきた事、そして私たちの力だけでは此処から出られないという事だよ」

最後のほうは力なく答えた。
いい加減に腹も減ってきたし喉も渇いた。