成の自由気ままな性格に似合って、おっとりした雰囲気を纏う緩い見た目は、人の言葉を借りれば“完璧な妹キャラ”と言うやつだそうで。


要約すると、成はモテるのだ。


特に年上の男からは人気があるが、そんなことに気づくはずもない成は好意を持って近づいてくる奴にも平気で笑いかける。

危機感がなさすぎるんだ。


「まぁた怒ってんの?ここが皺になるよ?」

「誰のせいだと思ってんだよ」

「えー、」

「いいから、早く帰るぞ」

「はーい」


俺の眉間を左右に伸ばしながらヘラヘラ笑う成の頭を小突いて教室を出た。





「なーりっ!やっほー」

「とまくん!」


帰り道、繋いでた手を離して嬉しそうに成が駆け寄った先には、いかにも軽そうな金髪の男がいて。

俺に視線を向けたそいつは、おもしろそうに笑いやがった。