Nostalgicな祭りのあとで

「隣町からトラックが出入りしても怪しまれない。設営中なら多少の音も気にならない。ねぇ、花火の時には何する気だったのかな?」

陸は後ろに潜む気配を目の端で追った。
「秘密裏に・・戻ることができないとこまで進めなくちゃだめだったんだよね?・・教頭先生。」

ザッと大樹が後ろの草むらに飛び込んだ。

「ッ、ごめん陸逃がした!」

「・・最近のガキは頭がいいな。」
アニキ分が苦笑いした。
右手がポケットをまさぐっていた。

「残念ながらテストはあんまりよくないけどね。」
陸は大樹のそばにつく。

息を呑んで見守る中、ポケットから出てきたのはライターだった。

「あーあ、こんなガキにやられちゃカタなしだぜ。」
「アニキ!何呑気にタバコなんか・・ガッ!」

鋭く蹴られたツヨシが腹を押さえて崩れこんだ。