Nostalgicな祭りのあとで

ガーン!ガーン!

鉄杭を打ち込む音で、人の声が掻き消えてしまう。
やまじいは懸命に叫んび、泥だらけになりながら頭を下げていた。

「どけ、ジジィ、しつっけぇよ!」
蹴られても、倒されても、男の腕を放さない。

「頼む、頼む、もう・・・!!!」

男は二人がかりでやまじいを引き剥がすと、グレーの作業服を整えた。

「もう、あきらめな。すべては決まったことだ。国が、決めたんだよ。」
「・・じゃあ、警察に突き出すだけだ。お前らが不法投棄で不当に金を得ているってな。」

男たちの顔色が変わった。
兄貴分の目が、鋭く暗い光を帯びた。

「ツヨシ、このジジイ閉じ込めとけ。」

屈強な体とはいえ、建築現場の男二人には及ばなかった。
小さなプレハブ倉庫に押し込まれる。

タバコをふかしながら男が下卑た笑いをにじませた。