Nostalgicな祭りのあとで

夏真っ盛りだというのに、梅雨が戻ったかのような長雨で肌寒い日が続いていた。
けれど、体育館の中の子供達は元気いっぱいだ。
祭りを明日に控え、両手に道具を抱えて走り回っている。

「青山先生~、いいんでしょうか、こんなこと勝手にして。」

藤崎の不安げな声を青山は笑い飛ばした。

「いいじゃないですか。子供達が自主的に作り上げてるんです。それを見守ってやるのも教師・・大人の役目じゃないですか?」

ワイワイと騒ぎながらも準備は進み、夕方にはほぼ完成した。
勇気の機転と、行動力抜群の七菜のおかげで、申し分ない出来栄えになった。

「明日は晴れるかな?」

誰かの言葉に、大樹がはにかんだ。
「晴れるよ。じーちゃんが言ってた。天気予報より当たるから大丈夫。」

舞台の袖で疲れて寝てしまった勇気に、七菜がパシパシ叩きながらお疲れと言っている。

陸は、大樹に目配せすると外に出た。