Nostalgicな祭りのあとで

お前に任せたぞ、そう笑った真山の顔が脳裏によぎった。

守をリストラされたただのサラリーマンとしか知らない真山。
処分場の設備に疎く、この任務にはうってつけだったのだろう。

守の心に、ズンと重い虚ができた。

「昔のあいつは、もういないんだろうか・・。」
「真山社長は、前からあんなだよ。野心が強くて、ワンマンだ。」

柳井産業の同僚である新田が呟いた。
「とりあえず、コレで社長を告発できる。お手柄だよ、日高さん。」

守は肩を叩かれた形のまま、俯いた。
「これでいいんだろうか、本当に・・すべては真山だけの責任で。」

「何言ってんだ、今・・。」
「違う気がするんだよ。あいつはあいつなりに考えてるんだ。そう思うんだよ。」

守が初めて荒立てた声に、全員が押し黙った。