Nostalgicな祭りのあとで

「あ、や、すまない。今日も失敗してチームに迷惑かけたから、てっきりクビかと。」

真山は吹き出した。
「お前入って間もないんだぞ?俺達の技術がすぐに身についてたまるかよ。気にすんな。」

ホッとして、日高は頭を掻いた。
またリストラに遭うわけにはいかない。
膝の上に乗せた両手を握り、かつての同級生を仰ぎ見た。

「いや、本当にありがとう。真山のおかげだ。」

深く頭を下げた日高に、コーヒーを差し出すとニッと白い歯を見せた。

「困った時はお互い様、だっただろ?昔から。」

日高はコーヒーを啜りながら、追憶を辿った。

脳裏をよぎる柔らかな微笑み。
クラスで一番小さかったあの頃の真山はもういない。