Nostalgicな祭りのあとで

「フライトアテンダント。」

ボソリと七菜が呟いた。
よく聞き取れなくてポカンとしてた陸に怒り出す。

「いーでしょ、夢なんだから。」

まだ何も言ってないんだけど、と陸は頭を掻いた。

あの沢に、着いた。

顔を覆ったまま、七菜は喋らなくなった。

そして、岩の上から陸が七菜を引き上げると、声にならない彼女の悲鳴が、陸の胸に届いた。

立ち尽くしたまま、ポロポロと零れてく涙。
陸はポケットを探って、少ししわになったハンカチを渡した。

「婆ちゃんの言ってた綺麗な山、それがここなんだ。」

ぐらついた七菜の手を、ぎゅっと握って支えた。

「酷い、酷い、酷いよ。」