Nostalgicな祭りのあとで

「それより何で来なかったの。みんな心配してるよ?」

「別に、俺がいなくても。」
言いかけて口をつぐんだ

「あんたがいないと、困るの、みんな!」
七菜は両手を腰にあて、陸の前に立ちはだかった。
まっすぐで大きな目が、少しだけ揺れる。

「ごめん。」
陸が小さく言うと、七菜は表情を和らげた。
縁側に並んで麦茶を飲む。

「大樹と何かあったの?」
「え。」
「最近仲いいのにさ、アンタのこと聞いたら、元気なさ気に知らないって言ったから。」

「喧嘩したわけじゃねぇし。」

七菜は黙って次を促す。

「お前さ、学校の裏山登ったことある?」

七菜はしばらく考えて、あんまりと答えた。