クラスメイトの輪の中。
陸は人の温度というものを実感した。

ずっと自分の中にあったわだかまり。
人と触れ合うことで、こんなに簡単に軽くなるなんて、思いもしなかった。

虚が埋められていく。

"自分だけがどうして?
辛い、苦しい、だけど、誰も分かってくれない。
人の幸せがむかつく。
どうして、どうして、どうして・・・"

寂しかった・・・心の底で澱になっていた感情が、ふわりとはがれて消えていく。

しばらくの後、陸は勇気と通学するようになった。

そして、大樹はいつの間にか、一番近い友達になっていた。