Nostalgicな祭りのあとで

陸は手先が器用だ。
父親と日曜大工にハマったこともあった。

仕事が変わり、あの頃よりも時間はあるはず。
なのに共に過ごす時間は前より少なくなった。

「リーマン何やってんだよ。」
マシュマロみたいな指を打ったらしい。
勇気は声なく暴れていた。

「大橋、貸して。」
陸が勇気の手から金槌と釘を取り上げた。

「釘と金槌はこう持って、ここを真っ直ぐに叩く。危ないから、最初は軽く小刻みに。真っ直ぐすれば怖くないから。」

「うわぁ、すごいね日高君。」
「陸でいー。」

「ねぇ陸君、これは?」

ちょい悪転校生とリーマン勇気。
異色コンビの誕生に、クラス中が注目した。