Nostalgicな祭りのあとで

「何やればいいんだよ、さっさと終わらせて帰ろうぜ。」

陸はどっかりと椅子に座ってノートを開いた。

真っ赤な耳に悔し気な顔。
けれど、全身を包んでいた刺々しさはもうない。

大樹と七菜はいたずらっ子みたいに目配せすると、資料を広げた。

小さい・・といっても、祭りの準備は大仕事だった。

夏休みまでに終わるはずもなく、子供たちは学校とクラスメイトの家を代わる代わる行き来して、舞台の衣装や道具を作っていた。

なんで自分がこんな面倒に巻き込まれたのか。
不平不満で一杯だった陸も、今は正直楽しかった。