いつものように賑わう校門前。

見知った生徒、よく知らない生徒、顔くらいは覚えのある生徒。

そんな面々が行き交う中、龍太郎の姿だけは見当たらない。

「おはようございます、皇帝」

遥の姿を見つけたラエクスがやってくる。

「どうです皇帝、丹下君の姿はありましたか?」

穹も今朝は気配を消す事なく、遥のそばに歩み寄った。

…遥は無言で首を横に振る。

やはり今日も行方知れずのままなのか。

龍太郎はどこに行ったのか。

そんな事を考えていた時だった。