ニッコリと私とお兄様を見送ってくださる相崎さん。


「じゃあ、行こうか。真梨。」



「はい、お兄様。」


お兄様はちょっとしたことだけれど、私のことは家でしか“真梨子”と呼ばない。
家以外では“真梨”と呼んでいる。
なぜなのかな…?
双子だからかな…?


「どうしたんだい…?」



「あ…いや、なんでも。」





――――…




「真梨子おはよ~♪」



「零、おはよう。」



「いつ見ても真梨子って可愛いよね~♪」



「それ言うなら自分のことじゃないの~?」


あ、私実は学校では性格作ってるの。
【それをおっしゃるならご自分のことじゃなくって?】なんて言ったら変に思われるでしょ?
まぁ、この桜宮学園にはそんな人の集まりのようなものだけれどね。
まぁ、親友には性格作らなくっても敬語は使わないけれど…。



―キーンコーンカーンコーン…

「やだ、予鈴なってる!」



「速く席着かなくっちゃ、島田先生怖いよ~…」



「だね…」


あ、島田先生というのは私たち3-Cの担任の人なの。


しばらく席で待っていると…



―ガラッ……





えっ…?