ただただ時計の秒針がなるおの沈黙の中、私はお兄様の隣で寝られずにいた。



――チッチッチッ…


私はその沈黙にいてもたってもいられず、その沈黙を切り裂いた。

「…お兄様……。」



「……なんだ?真梨子。」



「やっぱり………怖いの…。」



「大丈夫、僕がついてるよ。」



「………ありがとう…お兄様。」


…やっぱり、安心するな…お兄様の隣。

私がおねだりすればいつでも甘えさせてくれる。

私はそんなお兄様が大好き。


「おやすみ……なさ…い。」


「おやすみ、真梨子。」


私はお兄様の黒い髪に頬を擦り寄せながら深い眠りについていった――…。




* * * * * * * * * *


「姫は……まだ見つからないのか…。」



「申し訳ございませぬ…しかしながら、例の辺りにいることは間違いありませぬようで…」



「やはりそうか…。」

真梨子…早く会いたい……。
昔の願いを…早く…一刻も早く…叶えてやりたい。


* * * * * * * * * *