放課後、化学準備室の扉をソッと開けて見た。
三浦先生っていつもここにいるイメージだし。
目に映るのは、三浦先生の座っていた椅子と、ノートパソコンが置いてある机だけ。
電気は付いてるけど、少し薄暗い。
窓から指すはずのオレンジ色の光りは、曇り空のお陰で隠れちゃってなんだか物寂しい。
「…三浦先生〜?」
少し当たりを見回して、三浦先生の姿を探して見るけど、…やっぱりいないや。
シュンッと下を向く。
残念。せっかく頑張って会いに来たのに。
そう思い、部屋を出ようとドアノブへ手を掛けたとき
ガチャッ
「わっ!!」
三浦先生:「っ!??杉野っ何故ここに!?」
不意に開けられたドアに驚いて声を上げると、目に映った三浦先生にドキンと心臓が飛び跳ねる。
「ああ、ええっと!みみ三浦先生を探して…!」
飛び出そうな心臓を抑えながら、慌てて答える。
三浦先生:「そうだったのか。すまない、…で、何の用です?」
何の用って
私、何しに来たっけ??
あまりに心の準備が不十分だったため、グルグルと言葉を探す。


