13回目の好き



『え!三浦先生と!?』

『うん!ほらあの、茶色の髪の女の先生!』

『えっと、教育実習生の吉崎先生だよね!それでそれで、どういうこと?』

『そう!さっきさ、聞いちゃったのよね!』

『何を!?』

『"一緒に暮らしたい"って!』

『えええっ!!何、それ、もしかして三浦先生と??』

『分かんないけど、そうだとしたら?』

『"禁断の恋"!?』

キャーっと声を高くして盛り上がる女子の声に、固まる私。

『はぁーっ!やっぱり三浦先生はもう誰かのものだったのねぇ。』

『そっか、あんた狙ってたもんね!?』

『吉崎先生かぁ〜!まぁ、歳の差も立場も負けてちゃ叶いっこないね。』

『無理。諦めた方がいい!』

『‥まぁーいいじゃん、ユイにはタクヤがいるし!』

『そうだけど〜…』



…話が分からなくなってきた。


けれど聞いちゃった…


吉崎先生が、三浦先生と一緒に暮らしたい!?


わけ、分かんなくなってきた。


噂だし、聞き間違いだって有り得るもんね。


そう祈るように言い聞かせる。


…宿題、渡しに行かなきゃ。


不安に押し潰されそうになりながら、歩き出した。