やっぱり、恭先生に言ってから来た方が良かったかな?
数学準備室のドアの前で、ドキドキしながら少し不安になる。
まぁいっか…。
コンコン―…
「…?」
中から返事がない。
いないのかな?
そっとドアノブに手をかけ、ゆっくり開ける。
カチャ、
「恭先生〜…?」
ふんわり開けた窓から暖かい風が頬にあたる。
窓のすぐ傍に置かれた机は4年前に見た位置と変わらずそこにあって。
その机に伏せながら寝ている恭先生が目に映る。
思わず笑ってしまいそうになりながら、ソッと近寄る。
返事ないと思ったら、寝てたんだ(笑)
あまりに気持ち良さそうに寝る恭先生の横顔にフフッと笑ってしまう。
「…教師が、仕事中に寝てていいのかな(笑)」
ボソッと呟きながら、先生のツンツンした黒髪を撫でてみる。
ピクッと動いた恭先生が、眠そうに少し目を開けて私を見た。
恭先生「…んん、……ん〜………何だ、奈緒か…………。」
フフッ、寝ぼけてる(笑)
コテンッとまた、目をつぶる恭先生。