「はぁー!終わりましたっ!」
胸いっぱいに溜めた空気を一気に吐き出し、腕を上に上げてウーンっと伸ばす。
三浦先生はテストを受け取ると、パソコンの隣に置いてコーヒーを一口飲む。
三浦先生:「後で見ますね。」
「はい!…最後なんで、頑張りました!」
三浦先生:「いつも頑張ってほしいな…(笑)」
「あはは。やっぱり化学は難しいですね。もう、卒業しちゃいますけど、化学の面白さは何となく分かりました。…たぶん。」
そう笑って言うと、三浦先生もクスッと笑って答える。
三浦先生:「多分か(笑)」
目の前の窓から日がどんどん落ちていく。
もうすぐ今日が終わるよ。
三浦先生:「…吉崎のことですが、今は想っていませんよ。」
「へ!?」
突然、三浦先生がそんなことを口にするから驚く。
三浦先生:「君の質問に答えたまでです。」
「…質問、って私がそんなこと聞いたんですか?」
そう驚く私を見て、フッと笑って、カタカタとキーボードを打つ三浦先生。
そうだっけ…。
でもそっか。もう三浦先生は吉崎先生のこと想ってないんだ…。


