13回目の好き




「はぁー!終わりましたっ!」


胸いっぱいに溜めた空気を一気に吐き出し、腕を上に上げてウーンっと伸ばす。


三浦先生はテストを受け取ると、パソコンの隣に置いてコーヒーを一口飲む。



三浦先生:「後で見ますね。」


「はい!…最後なんで、頑張りました!」


三浦先生:「いつも頑張ってほしいな…(笑)」


「あはは。やっぱり化学は難しいですね。もう、卒業しちゃいますけど、化学の面白さは何となく分かりました。…たぶん。」


そう笑って言うと、三浦先生もクスッと笑って答える。

三浦先生:「多分か(笑)」





目の前の窓から日がどんどん落ちていく。



もうすぐ今日が終わるよ。



三浦先生:「…吉崎のことですが、今は想っていませんよ。」


「へ!?」


突然、三浦先生がそんなことを口にするから驚く。



三浦先生:「君の質問に答えたまでです。」


「…質問、って私がそんなこと聞いたんですか?」



そう驚く私を見て、フッと笑って、カタカタとキーボードを打つ三浦先生。




そうだっけ…。


でもそっか。もう三浦先生は吉崎先生のこと想ってないんだ…。