「ああ、すいません。では入らせてもらいます。」




そう言って、風呂場へ行く。



全く、こんな日に俺を呼んだりして…



俺は2人の邪魔にならないのか?



せっかくのクリスマスなのに…。




クリスマス…


なんて



その言葉だけで喜びそうだな




杉野は。




シャワーを浴びながら、ふとそんなことを思う。




今日は学校へは来なかったな。




クリスマスは、やっぱり約束があるみたいだな。




俺には、クリスマスも普通の日常に過ぎないんだが…。





別に用意していたわけでもない。





たまたま通り掛かった店に、杉野が好きそうなものがあったんだ…



いつもコーヒーを飲みに来るから。





昨日、杉野から貰ったクリスマスプレゼントを思い出す。




そのお礼に…だ。




今日来たら、渡そうかと思っていたんだが…。




そんなことをグルグル思いながら、湯舟に浸かって一息つく。





また、久々に吉崎と会ったが、…不思議なことに…




吉崎を好きだった想いは、いつの間にか俺の思い出のひとつになっていた。