13回目の好き




杉野:「それは…その…。」


少し困ったような小さな声が隣から聞こえる。


杉野も高木先生に惹かれているのか…?



そんなことを思うと、なぜだかモヤモヤして、アクセルを踏む足に力が入る。



どうしたんだ、俺は…?



杉野:「ちょっと、恥ずかしいんですけど…(笑)私が三浦先生のこと好きなのばれちゃって…。」



ん?



「…どういうことですか?」



杉野:「いや、その…。それで、高木先生と吉崎先生が、私の…応援?みたいな感じで…。」



照れくさそうに困った横顔を俯かせる杉野に、俺自身も恥ずかしくなってきてしまう。




つまり杉野は…俺のことをまだ好きでいてくれるのか…。


そう、思うだけで頬を赤らめてしまう俺は…いったい、どうしてしまったんだろう?




「…そうですか。」




杉野:「はい!それで、明日高木先生達と海に行くって約束、三浦先生も誘われませんでした?」



そういえば、誘われたな…。



「誘われましたね…。」



杉野:「それで、その海に私も行って三浦先生と偶然会うってことにすれば、って高木先生と吉崎先生が言ってて…。」