三浦一樹先生 Side
何をやってんだ、俺は………。
杉野を助手席に乗せて、海へ向かって車を走らせる。
高木先生に会ったら、何て言われるか…。
自分でも、分からないんだ…。
本当に…何をしてるんだろう…。
チラッと杉野を見ると、嬉しそうな横顔が映る。
凄く、当たり前のように感じていた。
杉野:「三浦先生の車初めてです!」
そうニコニコと微笑む杉野。
何故だろう…。
それが…嬉しいと思ってしまうのは…。
けれど、何故かムシャクシャしてしまう。
海へ行く気なんて全くなかったんだ。
けれど…杉野が、あれだけ俺と行きたいと言っておいて、高木先生に連れて行ってもらおうとするから…!
それに、驚いたのは連絡を取り合っていたことに、だ。
「何故、高木先生の連絡先を?」
つい聞いてしまう。
いや、教師と生徒が連絡を取り合うなんて今じゃ当たり前なのか?
杉野にとって高木先生が担任だからか?
連絡を取る必要があるか?


