13回目の好き



放課後ー…


ガチャ!
っと勢いよく数学準備室のドアを開ける。


「高木先生!」


高木先生:「お?杉野!どうした?」

にっと笑う高木先生をキッと睨む。


「どうしたもくそもあるかぁー!」

そう怒鳴ると、

高木先生:「悪い悪い!本石のことか?杉野の許可をもらったって、聞きに来たぞ?」


「…もういい!それより先生、今日のお昼何しに来たんですか?」


高木先生:「ん?…ああ、えっとな…夏休みの計画のことなんだが、三浦先生を誘ってみたんだ。」


「…え!?ホントに!?…三浦先生も来てくれるんですか?」


高木先生:「…それが、三浦先生、夏は苦手な思い出があるみたいでな。…来れないそうだ。申し訳ないな。」


準備室の開けられた窓から涼しい風が静かに髪を揺らす。


「そっか…残念…。…仕方ないよね。」


高木先生:「まぁ気を落とすなよ?恋も諦めてしまったら、そこで終わりなんだから。」


コーヒーを飲みながら、高木先生はチラッと私を見る。


「うん…。でも高木先生、もし諦めたら、苦しい気持ちってなくなるのかな?」


高木先生:「…諦められるのか?」


「諦められないけど。…もしも…。」