放課後ー…
ガチャ!
っと勢いよく数学準備室のドアを開ける。
「高木先生!」
高木先生:「お?杉野!どうした?」
にっと笑う高木先生をキッと睨む。
「どうしたもくそもあるかぁー!」
そう怒鳴ると、
高木先生:「悪い悪い!本石のことか?杉野の許可をもらったって、聞きに来たぞ?」
「…もういい!それより先生、今日のお昼何しに来たんですか?」
高木先生:「ん?…ああ、えっとな…夏休みの計画のことなんだが、三浦先生を誘ってみたんだ。」
「…え!?ホントに!?…三浦先生も来てくれるんですか?」
高木先生:「…それが、三浦先生、夏は苦手な思い出があるみたいでな。…来れないそうだ。申し訳ないな。」
準備室の開けられた窓から涼しい風が静かに髪を揺らす。
「そっか…残念…。…仕方ないよね。」
高木先生:「まぁ気を落とすなよ?恋も諦めてしまったら、そこで終わりなんだから。」
コーヒーを飲みながら、高木先生はチラッと私を見る。
「うん…。でも高木先生、もし諦めたら、苦しい気持ちってなくなるのかな?」
高木先生:「…諦められるのか?」
「諦められないけど。…もしも…。」


