「じゃあ、まだ早いからもうちょっと寝てろ」


あたしを抱き竦(スク)めた冬夜に、また戸惑ってしまう。


こんな風に二人でベッドに入るのは、初めての事じゃない。


ここで夜を過ごした時には、強引な冬夜に根負けしてこうして眠りに就くはめになっていた。


だから、こんな風に抱き締められる事にはもう慣れてしまっているし、こんな事くらいでは何とも思わない。


それなのに…


体を包む温もりに、どうしても戸惑ってしまう。


そのせいで胸騒ぎがする時のようにドキドキして、心臓がやけに煩かった。