【花】



今は大和のベッドで甘い一時を過ごしている。



幸せぇ~…。



あたしは大和の胸に顔を埋める。



「どうした?」

「この布団大和の匂いがする…。」



あたしが包まれているのは、いつも抱きしめられなければ分からない大和の匂い。



学校のみんなは知らない、あたしだけの秘密の香り。



「花、お前年末の予定は?」

「親父たちも帰って来られないみたいだからズット家にいるよ?」

「じゃあ、31日に俺の実家来る?」

「実家!?」



あたしは大和の言葉に、埋めていた顔を上げた。



「んー。実家。楓姉が、花連れて帰ってこいって…」

「でも…まずいでしょ…あたし、大和の生徒だし。」



大和はあたしの髪を指でときながら優しい目で見つめてくる。



「ん。大丈夫。親には言ったから。」

「ウッソ…。何て言ってた!?」

「『生徒に手出していいと思ってんのか!?1回死んでこい』って言われた。でも、ちゃんと話したら認めてくれたよ。」

「本当!?でも…」

「母ちゃんも、1回花連れて帰ってこいだって。」

「そっか…。行く、かな?」

「じゃあ31日の朝に迎えに行くな?」

「うん…!!」



実家に行っちゃいます!!