恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~

そして、今度は海斗の前にドンと豪快に置いた。


……やっぱり無愛想。


全然、可愛くない。


それがあたしの気の強さに触れる。


「ねえ! これ、何ていう料理?」


わざと大きい声を出すと、おばあちゃんはギロリとあたしを睨んだ。


「くぬ、さんさなーが」


「これ、さんさなーっていう料理なの?」


へえ、と感心していると、横で海斗がぷっと吹き出した。


「違うー。さんさなーは陽妃のことだがね」


「あたし?」


「そうさ。おてんばって意味さ」


おてんば!


「ちょっと、ひどいじゃない! おばあちゃん」


おばあちゃんを睨むと、またフンと鼻であしらわれてしまった。


「さんさなーが」


全っ然、可愛くない。


睨み合うあたしとおばあちゃんのやりとりを見ていた海斗が、ゲラゲラ笑い始めた。


「笑わないでよ、海斗」


「だあって、おっかしいさ! さっきまで泣いてたくせに、おばあには強気なんだからさ」


あ……本当に。


なんでだろう。


不思議。


今、思ったより元気な事に気付いた。


おばあちゃんは自分の分も盛り付けて、ようやく腰を下ろした。


「くぬ料理や、アバサー汁やんど」


「アバサー汁?」


あたしが首を傾げると、海斗が横から口を挟んだ。


「アバサーは、ハリセンボンていう魚のことさ」


「えっ、あのトゲトゲの魚のこと?」


「そん通りさ」


沖縄って、なんかすごいかも。


ハリセンボンて食べれる魚だったんだ。


東京のスーパーじゃ、あまり見ない。


というか、見たことない。


興味深い目で見つめていると、おばあちゃんが言った。