恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~

「ううー……足いー……耳ー……」


嫌な夢を見てハッとして目が覚めると、あたしはちゃんとベッドの中に居た。


どうも、うなされていたらしい。


体中、汗でびっしょりだった。


まだ半分微睡みの中をさまよいながら、昨晩の事を思い起こす。


昨日は沖縄料理を食べていて……おいしかった。


でも、豚の足と耳の料理を前にして、具合が悪くなったんだっけ。


「足……耳……」


ため息が出た。


汗でベトベトの感触が不快で、シャワーを浴びることにした。


シャワーを浴びて浴室から出てくると、お父さんとお母さんはもう居なかった。


テーブルの上に、置き手紙を見つけた。


――――――――――――――
比嘉さんと一緒に買い出しに行って来ます
夕方までには戻ります

何かあったら携帯に連絡下さい
――――――――――――――



「買い出しねえ」


白いキャミソールにデニムのショートパンツ。


こんなにも無防備な格好なのに、それでも暑い。


時計を見ると、まだ9時前だった。


「あーつーい」


バスタオルで濡れた髪の毛を拭きながら冷蔵庫を開け、ペットボトルを取り出す。


ミネラルウォーターを一気に半分飲み干して、ふう、と一息ついた。


あたりをぐるりと見渡してみる。


なんて開放感にあふれた家なんだろう。


東京で住んでいたマンションとは、まるで違う。