恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~

――確かめてみて。本物かどうか


ストラップを乗せた手を差し伸べてくる、彼。


――嘘……なんで? だって、あたし……これはあたしがっ


震える手でその蛍を捕まえようとした時にはもう、


――捕まえた。陽妃


あたしの体は彼の腕の中にあって、強く抱きしめられていた。


――離さん。もう離さない


――ばかだね、陽妃。おばあに手紙なんか預けて。読んで、すぐに分かったさ。隠し場所


クスクス笑う彼の胸にそっと顔をうずめると、おひさまの暖かい香りと潮風の匂いがした。


――嘘……ずっと、ずっと待ってたの、あたしっ


海斗。


目の奥が熱くなって、


――本当に……海斗なの?


涙が溢れ出した。


泣き出したあたしをぎゅうっと抱きすくめ、海斗はやっぱり静かに笑った。


――でーじ待たせてしまったね。遅くなってごめん、陽妃


海斗だ。


――島で美波が、おばあが、待ってる……みんなが待ってるよ


海斗。


――帰ぇろう、陽妃。島に、帰ぇろう


返事はもう、涙で言葉にならなかった。


海斗への想いが溢れて溢れて、どうにもできなかった。