何から何まで世話を焼いてくれる律子おばさんには本当に感謝している。
午前5時。
あたしはがらんとした部屋をぐるりと見渡して、深呼吸をした。
今日でこの部屋ともお別れだ。
今のところ、ここへ戻ってくるつもりはない。
朝のフェリーの時間までに終わらせなければならないことがまだふたつ残っている。
5つめと6つめのサヨナラの準備をしなければ。
まずは5つめの準備を終わらせるため、あたしは早朝の浜へ繰り出した。
朝陽が眩しい与那星浜。
あたしは、ガジュマルの木の下に、ブイを埋めた。
幸せが来るように、と海斗がプレゼントしてくれたちゅら玉のストラップと、本当ならば10年後に届くはずだった書き掛けのメッセージ。
そのふたつが入った小さな箱をブイの中に入れて、木の下に埋めた。
そろそろ帰ろうと思った時、波風に背中を煽られてハッと振り向いた。
人肌のように温かく、やさしい風だった。
煌めく水面に目を細める。
短くなった髪の毛を南風が揺らした。
今日も青く透明な海は眩しくて、清らかで、静かに凪いでいる。
まるで、彼のように。
あたしはクリアブルー色の海に微笑んで、歩き出した。
「サヨナラ、海斗」
それから、もうひとつ。
6つめの準備。
これで最後だ。
「おばあ」
浜から戻って真っ直ぐおばあの家に行くと、おばあは卓袱台の前で待ちわびていたかのようにちょこんと正座していた。
「おはよう、おばあ」
「いー。やー、ちゃんと浜に行って来ちゃんかね」
「うん。行ってきたよ」
返事をして、あたしはおばあの正面に座った。
柱時計がツクツクと時を刻む音が居間に響く。
午前5時。
あたしはがらんとした部屋をぐるりと見渡して、深呼吸をした。
今日でこの部屋ともお別れだ。
今のところ、ここへ戻ってくるつもりはない。
朝のフェリーの時間までに終わらせなければならないことがまだふたつ残っている。
5つめと6つめのサヨナラの準備をしなければ。
まずは5つめの準備を終わらせるため、あたしは早朝の浜へ繰り出した。
朝陽が眩しい与那星浜。
あたしは、ガジュマルの木の下に、ブイを埋めた。
幸せが来るように、と海斗がプレゼントしてくれたちゅら玉のストラップと、本当ならば10年後に届くはずだった書き掛けのメッセージ。
そのふたつが入った小さな箱をブイの中に入れて、木の下に埋めた。
そろそろ帰ろうと思った時、波風に背中を煽られてハッと振り向いた。
人肌のように温かく、やさしい風だった。
煌めく水面に目を細める。
短くなった髪の毛を南風が揺らした。
今日も青く透明な海は眩しくて、清らかで、静かに凪いでいる。
まるで、彼のように。
あたしはクリアブルー色の海に微笑んで、歩き出した。
「サヨナラ、海斗」
それから、もうひとつ。
6つめの準備。
これで最後だ。
「おばあ」
浜から戻って真っ直ぐおばあの家に行くと、おばあは卓袱台の前で待ちわびていたかのようにちょこんと正座していた。
「おはよう、おばあ」
「いー。やー、ちゃんと浜に行って来ちゃんかね」
「うん。行ってきたよ」
返事をして、あたしはおばあの正面に座った。
柱時計がツクツクと時を刻む音が居間に響く。



