恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~

本当に、そう思った。


ミステリアスな海斗と目が合う。


あたしと海斗は見つめ合った。


海斗の手が、あたしの熱を奪って行く。


海斗の瞳は真っ黒で、でも、何ひとつ濁りのない純粋な色だった。


あたし、へんだ。


熱と一緒に、海斗の目に吸い込まれそうになる。


どちらからともなく、顔が近づく。


まるで、引き寄せられるように。


あたし……なんでこんなに海斗に惹きつけられているんだろう。


切れ長のミステリアスな瞳の奥に、恍惚としたあたしがはっきりと映っていた。


こんなこと、絶対しちゃいけないって分かってるのに。


海斗が、あたしを惹きつけて離さない。


唇が触れる、直前だった。


「あがーっ!」


その大声で、あたしと海斗は同時にハッとして、同時に離れた。


やだ……。


あたし、今、何しようとしてた?


「わあっ! 渡嘉敷さん、大丈夫ですか?」


慌てふためいたお父さんが、うずくまる渡嘉敷さんに駆け寄る。


渡嘉敷のおじさんは顔を真っ赤にして、左足の小指を押さえていた。


踊っている時にテーブルの脚に、足の小指を強打したらしい。


「大丈夫ですか? 病院に行きますか」


「なっ……なんくるないさあっ」


そう言って、渡嘉敷のおじさんは引きつった笑顔を見せた。


そんなやり取りを見ていた海斗が、横で笑った。


でも、あたしはそれどころじゃなかった。