「介護の道を志している同志として、あの言われ様にはさすがに黙っていれなかったからね」
「えっ」
と思わず声が漏れる。
「堀北さん、介護の道に進むんですか?」
「うん」
意外だった。
物静かでおしゃべりもしなくて、いかにも頭の良さそうな風貌から、介護というよりはIT系かな、なんて思っていただけに意外すぎて驚いた。
「専門学校でも良かったんだけど。どうせなら極めようと思って大学に通ってるんだけど」
「あの、どうして介護の道に進もうと思ったんですか? きっかけとかあるんですか?」
質問を投げると、堀北さんは瞳を輝かせた。
「きっかけっていうかね。まず、ね」
「はい」
「こうして僕たちが便利な生活を送れているのは、先代の人たちが頑張ってきたからでしょ」
ふと、おばあのことを思い出す。
無愛想で、全然可愛くなくて。
でも、気付くといつも助けてくれる、裏のおばあ。
「じいちゃんばあちゃんたちが、今の日本を作ってきたわけ」
分かる? 、そう聞いて来た堀北さんを見て思う。
クールで素っ気ない印象だったけど、意外と熱く語る人だんだな、なんて。
「哲学ですね」
「とにかく。僕は完全に世のじいちゃんばあちゃんをリスペクトしている人間なんで」
「な、なるほど」
頷いたあたしに、堀北さんは「頑張れよ」とまだ手つかずのサンドイッチをくれた。
「まあ、焦らないで。君に合った職業ってのが必ずありますから」
「そうでしょうか」
「あるよ。天職ってのが。そのうち嫌でも見つかるよ」
堀北さんがくれた卵サンドはすごく美味しかった。
本当に美味しかったけど、おばあの作ったアバサー汁が食べたいと思った。
「陽妃。1週間お疲れ様。疲れたでしょう」
店じまいした店内で、律子おばさんが茶封筒を差し出しながら微笑んだ。
「バイト代。そんな多くないけど」
「……せっかくだけど、あたし、受け取れない」
「どうして?」
「だって、交通費出してもらったうえに、あんな迷惑かけちゃったし」
もらえない、と受け取ろうとしないあたしの手を掴み、バイト代を握らせながら律子おばさんは笑った。
「えっ」
と思わず声が漏れる。
「堀北さん、介護の道に進むんですか?」
「うん」
意外だった。
物静かでおしゃべりもしなくて、いかにも頭の良さそうな風貌から、介護というよりはIT系かな、なんて思っていただけに意外すぎて驚いた。
「専門学校でも良かったんだけど。どうせなら極めようと思って大学に通ってるんだけど」
「あの、どうして介護の道に進もうと思ったんですか? きっかけとかあるんですか?」
質問を投げると、堀北さんは瞳を輝かせた。
「きっかけっていうかね。まず、ね」
「はい」
「こうして僕たちが便利な生活を送れているのは、先代の人たちが頑張ってきたからでしょ」
ふと、おばあのことを思い出す。
無愛想で、全然可愛くなくて。
でも、気付くといつも助けてくれる、裏のおばあ。
「じいちゃんばあちゃんたちが、今の日本を作ってきたわけ」
分かる? 、そう聞いて来た堀北さんを見て思う。
クールで素っ気ない印象だったけど、意外と熱く語る人だんだな、なんて。
「哲学ですね」
「とにかく。僕は完全に世のじいちゃんばあちゃんをリスペクトしている人間なんで」
「な、なるほど」
頷いたあたしに、堀北さんは「頑張れよ」とまだ手つかずのサンドイッチをくれた。
「まあ、焦らないで。君に合った職業ってのが必ずありますから」
「そうでしょうか」
「あるよ。天職ってのが。そのうち嫌でも見つかるよ」
堀北さんがくれた卵サンドはすごく美味しかった。
本当に美味しかったけど、おばあの作ったアバサー汁が食べたいと思った。
「陽妃。1週間お疲れ様。疲れたでしょう」
店じまいした店内で、律子おばさんが茶封筒を差し出しながら微笑んだ。
「バイト代。そんな多くないけど」
「……せっかくだけど、あたし、受け取れない」
「どうして?」
「だって、交通費出してもらったうえに、あんな迷惑かけちゃったし」
もらえない、と受け取ろうとしないあたしの手を掴み、バイト代を握らせながら律子おばさんは笑った。



