不意に堀北さんと目が合う。
彼は明らかに引き攣っていた。
その時、4人の隣のテーブル席のギャルがあたしに「すみませえーん」と右手を上げた。
「あのー、水もらえますかあー」
「はい」
あたしは硝子のピッチャーを手に、そのテーブルに向かった。
「お待たせいたしました」
2人組のギャルたちは、パンケーキを食べながらメイク直しをしていた。
片割の子が付けまつげをつけながらあたしに話しかけてきた。
「ごめんね、オネーサン。化粧とかしちゃって。これからドームでコンサートあんの」
「あ、いいえ」
「2年越しでゲットしたんだあ。アラシのコンサートチケット」
あたしは笑いをこらえて差しだされたグラスに水を注いだ。
わんや与那星のマツジュンやんどー。
ふと、悠真を思い出して、すかさず突っ込む里菜を思い出してしまったのだ。
「良かったですね。楽しんで来てください」
グラスを置いて微笑むと、ギャルはひとなつこく「ありがとー」と微笑みを返してきた。
もう片割のグラスにも水を注ぐあたしの背後で、男が言う。
「もっかい考え直せって。オレと同じ大学行きたいって言ってたじゃん」
「でも……私の夢なんだもん」
手鏡を見つめてマスカラを重ねるギャルのグラスにキンキンに冷えた水を注ぎながら「お」と思った。
「専門学校行きたい」
今まで何を言われても大人しかったミカチャンが言い返したからだ。
「ナオくんに何言われても、今回だけは譲れないの」
そうだ、そうだ。
もっと言ってやれ、ミカチャン。
「あの、すみません。私にも水ください」
その声に振り向くと、リノチャンがグラスを差し出していた。
「あ、はい」
あたしは愛想良く返事をしてグラスを受け取り、水を注ぐ。
でも、リノチャンは気が気じゃない様子で言い合いを始めたふたりを見つめている。
彼は明らかに引き攣っていた。
その時、4人の隣のテーブル席のギャルがあたしに「すみませえーん」と右手を上げた。
「あのー、水もらえますかあー」
「はい」
あたしは硝子のピッチャーを手に、そのテーブルに向かった。
「お待たせいたしました」
2人組のギャルたちは、パンケーキを食べながらメイク直しをしていた。
片割の子が付けまつげをつけながらあたしに話しかけてきた。
「ごめんね、オネーサン。化粧とかしちゃって。これからドームでコンサートあんの」
「あ、いいえ」
「2年越しでゲットしたんだあ。アラシのコンサートチケット」
あたしは笑いをこらえて差しだされたグラスに水を注いだ。
わんや与那星のマツジュンやんどー。
ふと、悠真を思い出して、すかさず突っ込む里菜を思い出してしまったのだ。
「良かったですね。楽しんで来てください」
グラスを置いて微笑むと、ギャルはひとなつこく「ありがとー」と微笑みを返してきた。
もう片割のグラスにも水を注ぐあたしの背後で、男が言う。
「もっかい考え直せって。オレと同じ大学行きたいって言ってたじゃん」
「でも……私の夢なんだもん」
手鏡を見つめてマスカラを重ねるギャルのグラスにキンキンに冷えた水を注ぎながら「お」と思った。
「専門学校行きたい」
今まで何を言われても大人しかったミカチャンが言い返したからだ。
「ナオくんに何言われても、今回だけは譲れないの」
そうだ、そうだ。
もっと言ってやれ、ミカチャン。
「あの、すみません。私にも水ください」
その声に振り向くと、リノチャンがグラスを差し出していた。
「あ、はい」
あたしは愛想良く返事をしてグラスを受け取り、水を注ぐ。
でも、リノチャンは気が気じゃない様子で言い合いを始めたふたりを見つめている。



