恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~

確かに。


東京はあたしが生まれ育った、いわばふるさとだし。


律子おばさんは昔から知ってる人だし、大好きだし。


バイト代も出るんだし。


「……行ってみようかな」


7月。


太陽ギラギラの夏本番。


夏休みを迎えると同時に、あたしは東京へ発った。


朝、フェリーで石垣島へ渡り、1日3便しか飛ばない飛行機で宮古島へ飛んだ。


乗り継いで本島の那覇空港へ到着した時はもう、お昼を過ぎていて。


13:40発の便に乗り、那覇空港から東京羽田空港に着いた時は夕方近くになっていた。


へとへとだった。


朝からフェリーに乗ったり飛行機を乗り継いで、那覇から羽田まで約2時間弱のフライト。


座りっぱなしのせいで腰は痛いし、お尻は平らになりそうだし、足はむくんでぱんぱんだし。


「陽妃!」


荷物を引きずりながら出て行くと、


「陽妃、こっちこっちー!」


ロビーで律子おばさんが満開の笑顔で迎えてくれた。


両手をぶんぶん振っている。


あたしも手を振り返した。


「律子おばさん! 久しぶりー」


あたしが駆け寄って行くと、おばさんは大きな目を半分にして笑った。


「本当に久しぶりだね! 陽妃。どう? 南国生活は楽しい?」


ビターチョコレート色のショートヘアー。


Tシャツにジーンズというシンプルな格好の律子おばさんは相変わらず若々しい。


40代とは思えないような生き生きとした笑顔だ。


まだ結婚はしていなくて、万年彼氏募集中なんだけど、なかなか王子様が現れないらしい。


「うわあ、陽妃。あんた日に焼けたね。まあ、お姉ちゃんに似て元が色白だからちょうどいっか。で、お姉ちゃん元気? あ、お義兄さんも元気?」


まあ、ぺらぺらとよくしゃべる。


物静かな性格のお母さんと全くの正反対だ。