恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~

「ふーじらが赤いー」


そう言って、海斗があたしの頬を指差してケラケラ笑う。


ふーじらあ、ってほっぺのこと?


「えっ、嘘っ」


あたしは慌てて両手でほっぺを押さえた。


「やだ、あっつー」


ほっぺたが、お風呂上がりみたいに熱くなっていた。


同時にヒリヒリ痛む。


「痛い……」


「日に灼けてしまったのさあ」


そうか。


どうりで体中がヒリヒリして、熱く火照るわけだ。


「浜に長い時間居たら当たり前さ」


「へっ?」


「沖縄の陽射しはでーじ強いからさ、だから、島のみんなは昼間は海には行かないのさ」


「そうなの? じゃあ、いつ行くの? あんなに綺麗な海なのに勿体なくない?」


陽妃いはまだまだ甘いさ、と海斗は得意げに笑った。


「島の陽射しは強烈さ。裸足で歩いたら火傷してしまうー」


島の人たちは陽射しが弱まる夕暮れや、早朝の涼しい時に浜へ行くのが当たり前ならしい。


それでいて、服のまま海に入ってしまうこともしばしばだそうだ。


服のまま入っても歩いて帰るうちに、乾いてしまうらしい。


それくらい、島の陽射しは強い。


「陽妃も、今度からそうするといいよ」


「うん、そうする」


失敗したなあ。


せめて、日焼け止め塗ってから行けば良かったな。


「いてて……」