「おれってどんなやつだったんですか?」
「え?」
顔を上げると、海斗は「美波から聞きました」そう言って、複雑な面持ちで言った。
「記憶をなくす前、おれと陽妃さんはよくこの浜に来ていたんだって。仲が良かったって」
でも、何も覚えていないんです、と申し訳なさそうに肩をすくめる海斗にどんな返事をすればいいのか分からなかった。
「思い出そうとすると、頭が割れそうなくらい痛くなって苦しくなって、結局思い出せなくて」
陽妃さんが嫌な思いをするようなことしませんでしたか?
陽妃さんを傷付けたりしませんでしたか?
陽妃さんに迷惑かけていたんじゃないですか?
陽妃さんを困らせていたんじゃないですか?
「陽妃さんが知っているおれはどんな人間ですか?」
苦痛と困惑がごちゃ混ぜになった表情で、海斗は次から次へと質問をぶつけてきた。
「教えてください。おれと陽妃さん、仲が良かったんですよね?」
「あの、海斗――」
あたしの声を遮り、海斗は我を失ったように詰め寄って来た。
「陽妃さん、嫌な思いしてなかったですか?」
その声色は焦っているように感じた。
見るからに冷静を失っている海斗に、戸惑った。
「ちょっと待って、落ち着いて」
「迷惑かけてたんじゃないですか? 何か失礼なこと言って、傷付けたりは?」
「か、海斗」
「おれ、陽妃さんを困らせていたんじゃないですか?」
興奮気味に詰め寄ってくる海斗の腕を掴むと、
「海斗!」
ハッと我に返ったのか、海斗は急に大人しくなりしゅんと肩を落とした。
「……ごめんなさい」
まるで叱られた子供のような顔つきで、海斗がスッと一歩後退した。
いつも冷静で物静かだった海斗がここまで興奮しているのを見たのは、もしかしたら初めてだったのかもしれない。
「え?」
顔を上げると、海斗は「美波から聞きました」そう言って、複雑な面持ちで言った。
「記憶をなくす前、おれと陽妃さんはよくこの浜に来ていたんだって。仲が良かったって」
でも、何も覚えていないんです、と申し訳なさそうに肩をすくめる海斗にどんな返事をすればいいのか分からなかった。
「思い出そうとすると、頭が割れそうなくらい痛くなって苦しくなって、結局思い出せなくて」
陽妃さんが嫌な思いをするようなことしませんでしたか?
陽妃さんを傷付けたりしませんでしたか?
陽妃さんに迷惑かけていたんじゃないですか?
陽妃さんを困らせていたんじゃないですか?
「陽妃さんが知っているおれはどんな人間ですか?」
苦痛と困惑がごちゃ混ぜになった表情で、海斗は次から次へと質問をぶつけてきた。
「教えてください。おれと陽妃さん、仲が良かったんですよね?」
「あの、海斗――」
あたしの声を遮り、海斗は我を失ったように詰め寄って来た。
「陽妃さん、嫌な思いしてなかったですか?」
その声色は焦っているように感じた。
見るからに冷静を失っている海斗に、戸惑った。
「ちょっと待って、落ち着いて」
「迷惑かけてたんじゃないですか? 何か失礼なこと言って、傷付けたりは?」
「か、海斗」
「おれ、陽妃さんを困らせていたんじゃないですか?」
興奮気味に詰め寄ってくる海斗の腕を掴むと、
「海斗!」
ハッと我に返ったのか、海斗は急に大人しくなりしゅんと肩を落とした。
「……ごめんなさい」
まるで叱られた子供のような顔つきで、海斗がスッと一歩後退した。
いつも冷静で物静かだった海斗がここまで興奮しているのを見たのは、もしかしたら初めてだったのかもしれない。



