恋蛍~クリアブルーの風に吹かれて~

返信もしないようなあたしに、めげずに毎日メールを送り続けてくれたちょっぴりおせっかいで、ものすごく温かいふたりの友達に。


謝ろう。


1週間も何をしていたんだと、と怒るかもしれない。


呆れているだろう。


ふたりはあたしを許してくれるだろうか。


少し緊張しながらターミナルに入ってすぐに、その後ろ姿が悠真だと分かった。


入って右手の小さな売店で、何かを買おうとしていた。


明るい髪色。


でも、長めだった襟足が少し短くなっていた。


悠真、髪の毛切ったんだ。


「うきてぃー(おはよう)、おばあ」


「あら、にぃにぃ。ちゅー(今日)も男前やっさー」


「だばぁ?(だろ?)分かっちょるよ。わんや与那星のマツジュンばーよ」


まだ言ってる。


思わず吹き出しそうになる。


「それよりさ、おばあ。いつものハブドリンクあるかね」


カウンターにじゃらじゃらと小銭を並べる悠真を見て、売店のおばあが笑った。


「何言うば。にぃにぃ、いつもさんぴん茶買うでしょ」


「違うさ。ハブドリンクさ」


「やぁーみ?(はあ?) わけよ(なんだよ)、若いイキガがじじくさいね」


「いいのさぁ。高校生だっていろいろあるさ。疲れる時があるんやっさーからよー」


「どう見ても疲れちょるようにや見えねーらんしがねぇ」


とおばあに笑い飛ばされた悠真はむっとした口調で返す。


「いいさー。もういつものさんぴん茶でいいからさぁ。早くしれーよ、もうー」


「ウーウー。さんぴん茶ね」


けらけらと笑いながらドリンクコーナーに向かうおばあを確認して、悠真はブッハーと溜息を吐きながら振り向いた。


そして、あたしを確認し、口をあんぐりさせ、


「……は……っさぁ……おばあ! おばあって!」


あたしを見たままカウンターをバンバン叩いた。


「何ね! かしましいねぇ。うりー、さんぴん茶」


騒がしい悠真を面倒臭そうに見つめながら、おばあがカウンターにペットボトルをドンと置いた。